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2022.10 離婚届の不受理申出の手続きを利用すべきとき

 夫婦間で離婚の合意が整った場合には、離婚届を役場に提出(受理される)ことで、離婚が成立しますが、あくまで、役場では書類上の形式的審査にとどまることや、離婚届は必ず2名同席で提出する必要はないため、例えば、相手配偶者が勝手に離婚届を役場に提出してしまった・・・なんていうことも相手に悪意がある場合は、ありえることです。

 

 そこで、勝手に自分の意思に反して、相手が離婚届を提出できないようにする方法として、離婚届の「不受理申出(ふじゅりもうしで)」という手続きがあります。

 

 

 勝手に離婚届が出されないように

 

この不受理申出を役場に行っておけば、相手が勝手に離婚届を出そうとしても、役場は、不受理申出がなされていることを理由に、離婚届は受理されないこととなります。

なお、不受理申出の効力は、これまで6ヶ月とされてきたため、さらに更新する必要がありましたが、法律が改正され、その効力の期限がなくなりました。

 

 改めて離婚届を提出したいとき 

いったん、不受理申出を行ったけれど、改めて離婚届を提出したい場合には、事前に、不受理申出取下書を提出してから、離婚届を提出しなければなりません。

 

 不受理申出の申請 

なお、このり離婚届不受理申出の申請用紙は、役場に備えられているため、必要事項を記載・署名捺印してから、夫婦の本籍地または住民票登録住所地の役場に提出することとなりますが、登録上の住所ではない実際の居所(あるいはい一時的に退避している生活拠点)や、まったく関係のない役場において提出したとしても、その役場から本籍地の役場へ連絡がなされるシステムのため、実際には、日本国中のどこの市区町村役場からでも、不受理の申出は可能です。

ただし、本籍以外の役場で提出する場合は、時間的なロスが少なからずあるため、最短最速を目指されるのであれば、本籍地の役場に提出することが最もスマートでしょう。☝

 

>>>【名古屋市】不受理申出FAQはこちら 

>>>その他離婚に関する必要手続き【名古屋市WEB】はこちら

 

 

 脅迫や詐欺によって、離婚届が提出されてしまったとき 

なお、相手の暴力、脅迫などの強迫、または詐欺などにより、自分の100%の意思ではないところで、離婚届が提出され受理されてしまった場合は、相手が勝手に署名捺印まですべて偽造したわけではないので、形式審査の離婚届は、いったんは受理されてしまい、有効に離婚が成立したことにはなってしまいます。

そこで、有効に成立してしまった離婚を取り消すために、「協議離婚取消しの申立て」を家庭裁判所に行うことで解決を図ることとなります。

離婚の取り消しを求める審判、または、訴訟手続きを行い解決を図ることとなりますが、実際には、とても面倒で時間がかかる傾向にあります。

また、取り消しの申立てには期限が定められており、「詐欺を発見した」または「強迫」を免れたときから3ヶ月を経過すると、取り消し自体が出来なくなってしまいますので注意が必要です。

 

 

 

 そのそも自分の意思とは無関係に離婚が成立してしまった場合

例えば、離婚届に署名捺印するときは、本当に離婚するつもりだったが、そのあとすぐに気が変わり、相手に伝えたが、一方的にそのまま離婚届を出されてしまった。

あるいは、自分の知らない所で(全く関与なしで)離婚届が偽造されて提出されてしまった。

などの場合は、本来自分の意思で離婚届をしたことにならないため、実際に離婚の効力は生じていない(無効)となりますが、役場の形式的審査上は、形式を満たした届出がなされたことで、いったんは、離婚が成立した形式になってしまいます。 

そこで、行うべき手続きは、「離婚の無効確認」を裁判所に請求していくこととなりますが、

この無効確認の請求も、まずは家庭裁判所の調停手続きからとなり、前記の取消し請求と同様に、時間労力ともに面倒で時間がかかるものです。

 

>>>【裁判所ホームページ】協議離婚無効確定調停はこちら

 

 まとめ

離婚届は、お互いの届出意思に基づき、役場に提出されるのであれば問題ありませんが、お互いの感情的または打算的側面から、片方の意思がない、または不十分ななかで、届出が受理されてしまうこともあるため、注意致しましょう。

また、いったん受理されてしまった離婚届は、離婚の効力が生じることとなるため、それを覆す(取り消す、または、無効とする)には、裁判所を通した大がかりな手続きを踏まなければならず、とても面倒で時間がかかるものです。

そこで、離婚する意思はない。離婚届には署名捺印してしまったが、離婚の条件や離婚協議書などが整っていないため、まだ届出はする気がない。けれども、相手が離婚届を出してしまうかもしれない、などの不安を抱えるケースは、一手間かかりますが、この記事のとおりの、離婚届「不受理申出」を活用することで、間違った離婚届が受理されてしまうことを防止できることとなるのです。

 

>>>離婚届の詳細はこちら

 

 

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