家事の分担や方法の相違【価値観の相違】
と「名もなき家事」

名古屋市中区の離婚相談あんしんサロン名古屋より、今回は、「家事分担」というテーマで考えてみます。

「家事」といえば、掃除、洗濯、料理に買い物、そしてゴミ出しといったものが思い浮かぶでしょうか。しかし、一括りに「家事」といっても、先に挙げた掃除、洗濯のように誰からも認識してもらいやすい「家事」だけでなく、やってもやっても終わらない、無限ループのように次から次へとやってくる膨大な数の「名もなき家事」が存在していることをご存じですか？

☝「名もなき家事」とは？

「名もなき家事」とは、はっきりした名称はないけれど、家庭生活において“必要不可欠な”“細々とした”家事タスクのことを指してそう呼んでいます。

○ゴミにまつわる「名もなき家事」

この「名もなき家事」、家族の人数や子どもの年齢によって家庭ごとに数も種類も様々だと思いますが、例えばゴミにまつわる「名もなき家事」。

まず、プラスチックや空き缶、空き瓶、ペットボトルなど、資源ゴミとして出すゴミを水で軽くすすいだり、ラベルを剝がしたりキャップを外してから分別する家事。牛乳パックをすすいで切り開いて乾かしておく家事。

また、ネット通販などで届いた段ボール箱を畳んで緩衝材や梱包されていた袋などを仕分けて処分する家事。家中のゴミ箱からゴミを回収する家事、新聞や雑誌、段ボールが溜まってきたら紐で縛る家事。

他にも挙げればきりがありませんが、一括りに「ゴミ出し」という家事とは別に、ちゃんと名前をつけてあげたくなるくらいのタスク量ですよね。

○育児にまつわる「名もなき家事」

他にも、育児から発生する「名もなき家事」も膨大で、特に子どもが乳幼児の時期は、育児混合型の「名もなき家事」のオンパレード。もれなく無限ループに突入です。

本来、「名もなき家事」の一つひとつはほんの２，３分で完了するものが多いのですが、たくさんの「名もなき家事」が毎日の生活の中のありとあらゆる場面で出てくるため、子どもから手が離せず後回しにしたり、忙しくて見て見ぬふりをしたりして少しでも溜まり始めると、あっという間に生活空間が荒れていってしまいます。

そしてじわりじわりと心まですさんでいってしまいます。

だから、そうなる前に家族の誰かがやらなければならないもの。大抵は夫婦の一方が、育児や仕事で忙しくてもギリギリのところで頑張っています。

☝問題は、夫婦の家事に対する認識の違い

しかし、夫婦のもう一方はそれらをやってもらって当たり前、もしくはそれらの存在自体にほとんど気づかないまま生活しているのが、夫婦の家事分担の現状ではないでしょうか？

そうです。夫婦のもう一方は「名もなき家事」にほとんど気づかないまま生活しているのです。一方は生活がすさんでしまわないようにギリギリのところで「名もなき家事」と向き合っているのに、もう一方は存在にすら気づいていないなんて。これでは夫婦で分担なんてできません。

では、どうしたら夫婦で分担することができるのでしょう？

○「名もなき家事」に夫婦で気づく

まずは「名もなき家事」の存在そのものに対する認識を夫婦で一致させることが、解決への第一歩です。

実は、「名もなき家事」を日々頑張っている本人も、一つひとつの家事を家事として認識していないことが多いため、まずは紙に書き出すなどして自分自身も今一度認識し直し、「毎日こんなにたくさんの家事と向き合っていたんだ！」と自分自身を褒めてあげましょう。

○家事について夫婦で話し合う

そして、書き出した家事を夫婦で共有し、「こんなにたくさんの家事があるなら、完璧になんてできないよね。」だったり、「こんなにたくさんの家事があるなら、分担しないとできないよね。」といった家事分担についての会話ができたらそれだけでも十分前進したといえるでしょう。

たとえ夫婦の分担割合がほとんど以前と変わらなかったとしても、「名もなき家事」の存在を共有することで、日々頑張って家事に向き合ってくれている相手に対して感謝や尊敬の気持ちが生まれるはずですから、夫婦関係は少しずつ良い方向へ向かっていくことになるでしょう。

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